まず私がとても驚いたのは、その方が髑髏のマークの某部隊にいらっしゃったことです…。
普段はグレーのF-15ですが、特別に迷彩塗装されてるあの部隊です。
戦闘機パイロットさんたち憧れのエリート集団ですよね…… びっくりしました…。
「信じてもらえないだろうから」と、ご自身が映っている、戦闘機を特集した市販のビデオを見せて頂いたんですが、撮影の裏話を伺うことができました。
いわく、ああいう映像は、映像用にいい画になるよう撮影されているそうです。
本来は一直線に並んで飛ぶところを、高さをずらし見栄えが良くなるように撮っていたり…。
映像は、整備→格納庫から滑走路に運ぶ→乗り込む→離陸→訓練→…… とストーリー仕立てで編集してありますが、実際はそんなに明確に工程はわかれていないとのこと。やはり見栄えが良くなるよう編集してあるそうです。
機体に乗り込む前に、各自で機体のチェックをしていたのですが、「ここで不具合を発見して乗らないということはあるのか」という質問に「あります」って即答されててなんだかほお~…と思いました 当たり前のことなんですが、プロだなと…。
去年の12月、県営名古屋空港に初めて行ってみたのですが、そこで旅客機やヘリの離着陸を眺めていたところ、突然1機のF-15の離陸を見ることができました。
輸送機でも見れたらなーみたいな軽い気持ちで行ったのですが、まさかそんな…戦闘機が見られるなんて思ってなくて、とてもびっくりしました。
で、なぜあそこにF-15がいたのか?考えられることは?という質問をしたのですが、
「そのF-15は空港そばにある三菱の工場で修理をしてもらったのでは」とのお答えを頂きました。なるほど…。
現在修復作業中の某レシプロ戦闘機についても伺うことができました。
先日里帰り飛行した某機に話題を取られてしまう(笑) とちょっと悔しそうでした。
修復作業は進んでいるのですが、関係者の方はとても苦労しているのだそうです…。
そもそも「あの機体は誰(どこ)のものか」というのがちょっと複雑で、関係団体の絡みがあり、簡単に責任も取れないし、なかなか勝手なことはできないそうです。
また、その機体がいる某市(基地があるところです)は県内で一番お金を持っていて、某博物館を改修するなどしていますが、今年は去年までのようにお金を使えないそうです。
潤っている地域が、地方を助けるためにお金を使わないといけないみたいで。
地方の例として私の地元を出されたのですが、直接的にそうではないにしろ、私の地元が枷となって修復が思うように進まないと思うととても悲しくなりました。といっても地元も大切なのですが…。
なかなか難しいようです。いろいろ問題があることを知ることができて良かったです。
「いちばん好きな戦闘機は?」という、プロだった方に対してとても…なんというか子どもっぽい質問をしてしまったのですが、知らないものについては何とも言えない、と前置きされ、ご自身が乗ったことのあるF-4とF-15を比べ、F-4とのお答えを頂きました。(その2機以外にもたくさん乗られています)
今自動車にどんどん自動システムが導入されているように、航空機も自動でいろいろやってくれるみたいです。
で、F-15がそうだと。だから誰が乗ってもだいたい同じくらいの腕前になるそうです。
その点F-4は腕の差が出るらしいです。長く乗ってる人は上手く、全然乗っていない人との差が出てくるそうです。「下手なやつは下手」と仰っていました。
このお答えが私にとってはとても印象深いものでした。
言い方は悪いですが、退役も間近だろうという機体と、現在の主力である機体を比べたとき、普通なら後者を選んでしまいそうな気もするのですが…。ちょっと意外でした。
なるほど…。これは本当に何時間も乗った方でないと出てこない答えだなと思いました。
とってもすごい方なのに本当に気さくでお優しい方でした…。
私の拙い質問にも真摯に答えてくださってお人柄のよい方でした。
またいつかお話伺うことができたらなと思います。私もいろいろ勉強しなければ…。